【TicWatch Atlasレビュー】脅威の3日間バッテリー持ちのタフネススマートウォッチ

■最終更新日 2025年5月15日 by u-ta
スマートウォッチって便利な機種ほど、バッテリー持ちが微妙だったりしますよね。
Mobvoiから登場したTicWatch Atlasは、Wear OS搭載でありながら、通常使用で3日間という驚異のバッテリーライフを実現したタフネススマートウォッチです。
今回は、実際にTicWatch Atlasを使用してみた詳細なレビューをお届けします。
デザイン、機能性、そして特筆すべきバッテリー性能まで、徹底的に解説しますので、スマートウォッチ選びの参考にしてください。
特にアウトドアアクティビティや長時間の使用を想定している方には注目のモデルとなるでしょう。
TicWatch Atlasのスペック、サイズ
特徴 | スペック |
---|---|
モデル名 | TicWatch Atlas![]() |
OS | Wear OS by Google |
プロセッサ | Snapdragon® W5+ Gen 1 ウェアラブル プラットフォーム |
メモリ (RAM) | 2GB |
ストレージ | 32GB |
ディスプレイ | 1.43インチ AMOLED (466 x 466 ピクセル) + 超低電力ディスプレイ (FSTN) |
カバーガラス | サファイアクリスタル |
バンド素材、バンド幅 | フッ素ゴム (交換可能)、24mm |
サイズ | 52.2×47.8×12.05mm |
重量 | 約47g (ストラップなし) |
耐久性 | MIL-STD-810H準拠 |
防水性能 | 5ATM (オープンウォータースイミング対応) |
センサー | HD PPG心拍センサー, SpO2センサー, 皮膚温度センサー, 低遅延オフボディセンサー, 加速度計, ジャイロスコープ, コンパス, 気圧計 |
位置情報測位 | GPS + Beidou + Glonass + Galileo + QZSS |
接続性 | Bluetooth® 5.3, Wi-Fi 2.4GHz & 5GHz |
NFC | Google Pay™ 対応 おサイフケータイ非対応 |
スピーカー | 搭載 |
マイク | 搭載 |
バッテリー容量 | 628mAh (標準値) |
バッテリー持続時間 | スマートモード: 最大 約4日間 (使用状況により変動) |
超省電力モード: 最大 約45日間 | |
充電方式 | マグネット式充電 |
互換性 | Android™ 8.0以上 |

タフネス設計&WearOSなのに驚異の3日以上のバッテリー持ち!
高性能CPU、美麗AMOLED、GPSや多様なセンサーも搭載。
やや大きめでも視認性・操作性に優れアクティブシーンに最適です。
TicWatch Atlasを開封、デザイン、同梱物、重量
開封、重厚感ある化粧箱

TicWatch Atlasのパッケージは、製品への期待感を高める重厚感のある化粧箱です。

本体と、説明書、充電器が同梱されています。
接点式だが高速な充電器、質感と通気性の良いフッ素ゴムバンド

充電器は専用の接点式マグネットタイプで、カチッと簡単に接続できます。
ワイヤレス充電ではないものの、急速充電に対応しており、短時間で十分なバッテリーを確保できるのは非常に便利です。
実際に使用してみると、充電速度の速さは特筆すべき点で30分で2日使用分充電できるそうで、忙しい現代人にとって大きなメリットとなるでしょう。
付属のバンドはフッ素ゴム製で、質感が非常に高く、しなやかで肌触りが良いのが特徴です。

裏面が凹凸があり、汗をかいても蒸れにくい通気性の良さも備えており、長時間の装着でも快適さを保ちます。
特にアクティブなシーンでの使用を考えると、このバンドの選択は非常に合理的と言えます。
デザイン性と機能性を両立させたバンドは、時計全体の印象を格上げしています。
ワイルドな正面デザイン、側面ボタンは2種

TicWatch Atlasの正面デザインは、そのタフネスさを象徴するようなワイルドで力強い印象です。
ベゼル部分には目盛りやアクセントが施され、アウトドアウォッチらしい雰囲気を醸し出しています。

側面には操作用のボタンが2種類搭載されています。
一つは回転操作も可能なデジタルクラウンで、メニューの選択や画面のスクロールが直感的に行えます。

もう一つはカスタマイズ可能なショートカットボタンで、よく使う機能を割り当てることで素早くアクセスできます。
これらのボタンは適度なクリック感があり、操作性も良好です。
ただし、デザインについては好みが分かれるところで、スーツなどのフォーマルな服装には合わせにくいかもしれません。

重量比較、TicWatch Atlasは82gだが装着感は良好

TicWatch Atlasは本体のみで47g、バンド込みの重量は約82g(実測値)と、スマートウォッチの中ではやや重たい部類に入ります。
例えば、一般的なスマートウォッチであるApple Watch Series 9(アルミニウム、45mm)が約38.7g、Pixel Watch 2が約31g(いずれも本体のみ)と比較すると、その重さが際立ちます。
しかし、実際に装着してみると、その重量ほどの負担は感じにくいのが正直な感想です。
これは、幅24mmのしっかりとしたフッ素ゴムバンドが手首を的確にホールドし、重量を分散してくれているおかげでしょう。

装着感が良いので個人的には気になりませんが、軽量なモデルを好む方はこの重量が気になる可能性はあるのでご注意ください
TicWatch Atlasをスマートフォンと接続

TicWatch Atlasとスマートフォンを接続するには、Mobvoi Healthアプリをインストールします。
その後、TicWatch Atlasの電源を入れると自動でペアリング画面がポップアップされるので、画面の指示に従ってペアリング操作を進めます。
Bluetoothで簡単に接続でき、一度接続すれば、通知の受信、アプリの同期、健康データの管理などがシームレスに行えるようになります。
Mobvoi Healthアプリでは運動や睡眠、心拍数などの詳細な健康データを記録・分析できます。

なお、対応はandroidのみでiPhoneでは使用できませんので、ご注意ください。
TicWatch Atlas使用レビュー
WearOS搭載で登山アプリYAMAPやフィットネスプリHevyが使用できて最高

TicWatch Atlasの最大の魅力の一つは、GoogleのWear OSを搭載している点です。
これにより、Google Playストアから豊富な対応アプリをダウンロードして利用できます。
特にアウトドア好きやフィットネス愛好家にとって嬉しいのが、「YAMAP」や「Hevy」といった特定用途に特化したアプリが使えることです。

実際に上高地でのハイキング時にYAMAPを使用してみましたが、スマートフォンを取り出すことなく、手元で地図、現在地の高度、歩行時間、距離などを確認できるのは非常に便利でした。

ただし、YAMAPアプリはウォッチ単体での動作ではなく、スマートフォンとの連携が必須です。
また、ジムでの筋力トレーニング時には「Hevy」というフィットネスアプリが大活躍。

セットごとのレップ数や重量を手元でサッと記録できるため、スマートフォンを持ち歩く必要がなくなり、トレーニングに集中できました。

これらのアプリ体験は、他の独自OSを搭載したスマートウォッチでは得られない大きなアドバンテージと言えます。

登山にしろ、筋トレにしろ、スマートウォッチアプリで完結できるとスマホに気を取られず集中できるのが気に入っています。
省エネディスプレイは情報量や省電力が優秀だが日光下には弱い

TicWatch Atlasは、メインのAMOLEDディスプレイに加えて、低消費電力のFSTN液晶(省エネディスプレイ)を重ねた二層ディスプレイ技術を採用しています。
この省エネディスプレイは、常時表示モード(AOD)の役割を果たし、時刻や歩数、心拍数といった基本的な情報を常に表示しながらも、バッテリー消費を大幅に抑えることに貢献しています。
実際に使ってみると、この省エネディスプレイの情報量は意外と豊富で、手首を傾けてメインディスプレイを起動するまでもない場面が多く、非常に便利だと感じました。
しかし、その一方で、直射日光下では視認性が著しく低下するという弱点も露呈しました。
晴天時の屋外では、他機種と比較してもメインディスプレイの輝度が若干弱いので、アウトドアでの使用を考えると少し残念なポイントです。

とはいえ、バッテリー持ちへの貢献度は絶大で、このトレードオフをどう評価するかが選択の鍵となりそうです。
常時心拍測定、睡眠やストレスも測定、睡眠測定精度は若干弱め

TicWatch Atlasは、健康管理機能も充実しています。
24時間体制での常時心拍数モニタリングはもちろんのこと、血中酸素濃度(SpO2)、ストレスレベル、そして睡眠の質まで詳細にトラッキングしてくれます。

これらのデータはMobvoi Healthアプリで一元管理され、日々の健康状態を客観的に把握するのに役立ちます。
特にストレスレベルの測定は、自覚しにくい心身の負荷を可視化してくれるため、意識的に休息を取るきっかけになりました。
ただし、睡眠測定の精度に関しては、若干の改善の余地があるように感じました。

入眠時間や起床時間、睡眠段階の判定などが、体感と少しずれることが結構ありました。
この点は、今後のソフトウェアアップデートでの精度向上に期待したいところです。
とはいえ、全体的な健康トラッキング機能は十分実用的で、日々の健康意識を高める上で有効なツールと言えるでしょう。
返信まで出来る通知機能、LINEはログも見れる

スマートウォッチの基本的な機能である通知機能も、TicWatch Atlasは非常に優秀です。
スマートフォンに届いた電話の着信、メール、SNSのメッセージなどを手元で確認できるのはもちろん、一部のアプリでは簡単な返信までウォッチ上で行うことが可能です。
特にLINEの通知に関しては、メッセージの内容確認だけでなく、過去のやり取り(ログ)をある程度遡って確認できる点が非常に便利でした。

スタンプでの返信や、定型文、音声入力によるテキスト返信にも対応しており、スマートフォンを取り出せない状況でもスムーズなコミュニケーションが可能です。
これにより、会議中や移動中など、すぐにスマートフォンを操作できない場面でも、重要な連絡を見逃したり、返信が遅れたりする心配が軽減されました。

通知のバイブレーションも適切で、見逃すことは少ないでしょう。
YouTube Musicでの音楽内部保存と再生もWearOSならでは

TicWatch Atlasは、日々の生活を便利にする多彩な機能も搭載しています。
スマートフォンで再生中の音楽コントロールはもちろん、ウォッチ本体に音楽を保存しておけば、スマートフォンなしでBluetoothイヤホンと接続して音楽を楽しむことができます。
これはランニングやジムでのトレーニング中に非常に重宝する機能で、スマートフォンが手元になくてもいいので身軽にトレーニングに集中できます。
SoCが強力なものを積んでいるので、Pixel Watch3ではよくクラッシュしていたYouTube Musicもかなり安定して使えるのも満足しています。
おサイフケータイは非搭載
多機能なTicWatch Atlasですが、残念ながら日本国内で広く利用されているおサイフケータイ(FeliCa)には対応していません。
そのため、駅の改札やコンビニエンスストアなどでのタッチ決済を利用することはできません。
Google PayによるNFC決済(Visaのタッチ決済など)には対応しているものの、FeliCaが主流の日本においては、この点が大きなデメリットと感じるユーザーも少なくないでしょう。
将来的に日本市場向けのモデルでおサイフケータイに対応することを期待したいところです。
バッテリーと充電:3日は十分持ちWear OS では最強、急速充電も便利

TicWatch Atlas最大のセールスポイントと言っても過言ではないのが、その驚異的なバッテリー持続時間です。
Wear OS搭載スマートウォッチはバッテリー持ちが悪いというイメージが強い中、TicWatch Atlasは通常使用で3日間は余裕でバッテリーが持ちます。
実際に、1泊2日の旅行程度であれば充電器を持たずに安心して出かけられましたし、使い方を工夫すれば2泊3日の旅行でも乗り切れました。

1日あたりのバッテリー消費量は約30%程度で、これはPixel Watch3と比較しても倍以上の持続力です。
Wear OSの多機能性を享受しつつ、バッテリーの心配から解放されるのは、何よりも大きなメリットと言えるでしょう。
また、急速充電にも対応しており、短時間の充電で1日分のバッテリーを確保できるため、万が一充電を忘れた場合でも安心です。
このバッテリー性能は、Wear OSスマートウォッチの中で最強クラスと言っても過言ではありません。
TicWatch Atlasのレビュー、メリット、デメリット、おすすめな人まとめ

- スマートウォッチのバッテリー持ちに不満を感じている方
- Wear OSの豊富なアプリ(特にYAMAPやHevyなど)を活用したい方
- ジムでのトレーニング、ハイキングや登山などのアウトドアアクティビティが好きな方
- タフでワイルドなデザインのスマートウォッチを求めている方
- デジタルクラウンの操作性を重視する方(Pixel Watchほどの振動の質ではないものの、搭載されていると便利です)
TicWatch Atlasは、Wear OSの多機能性と、タフネスデザイン、そして驚異的なバッテリー持続時間を兼ね備えたスマートウォッチです。
実際に使用してみて感じたメリットは、やはり3日間持続するバッテリー性能と、YAMAPやHevyといった特定のアプリが活用できるWear OSの自由度の高さです。
特にジムでのトレーニングやハイキング時には、スマートフォンを取り出すことなく手元で情報確認や記録ができるため、非常に重宝しました。
また、質感の高いフッ素ゴムバンドのおかげで、82gという重量を感じさせない良好な装着感も魅力です。
Galaxy Watch Ultraとも比較検討しましたが、デジタルクラウンの搭載がTicWatch Atlasを選ぶ決め手となりました。
総じて、特定のニーズを持つユーザーにとっては、非常に満足度の高い一台となるでしょう。
